- ババヘラ(アイス)
- ババヘラの歴史
ババヘラの歴史
ババさんがヘラで盛りつけしてくれる、路上販売アイス
「ババヘラ」とは、ババさんがヘラで盛りつけしてくれる路上販売アイスの事を、地元の高校生が「ババヘラ」と呼ぶようになったのが始まりと言われています。
つまり、「ババヘラ」は元々は通称だったわけです。
ですから、地元の方々は、どの業者さんも ババヘラ と読んでいます。
ところが、2001年に進藤冷菓さんが「ババヘラ」を商標登録してしまったため、他の業者さんは「ババヘラ」を名乗れなくなってしまいました。
商標登録に関する審判請求や異議申立のデータベース(商標審決データベース)にババヘラに関する情報が掲載されていましたので、時系列にまとめてみました。
「ババヘラの写真ページ」はこちらです → ババヘラの写真ページ
「ババヘラ」の歴史 (2013年現在)
商標登録に関する審判請求や異議申立のデータベース(商標審決データベース)にババヘラに関する情報が掲載されていましたので、時系列にまとめてみました。
主な情報の出典は、無効2010-890045 異議2010-900235 無効2011-890038 です。
「ババヘラ」の誕生
- 昭和23年頃 児玉冷菓 さんがアイスキャンディーの製造・販売を始めた。
- その後、児玉冷菓 さんが 進藤冷菓 さん及び 杉重冷菓 さんにアイスを卸し、共に販売を始めた。
- 少し遅れて 千釜冷菓 さん、 若美冷菓 さん、 三浦商店 さんが設立された。
最初のアイスキャンディーは、長方形やダルマの形 をしており、自転車の荷台にアイスボックスを乗せて売っていた。
- 昭和29年頃に、アイスをコーンの容器に入れる 形式になり、バイクでリヤカーを引いて、秋田県内各地の運動会やお祭りなどの会場に出向いて販売するようになった。
- 昭和39年頃、前記会場に出店する業者が多くなりすぎて会場内に出店できなくなる事態が発生したため、会場外の道路に出て 路上販売 をするようになった。
出稼ぎに出られない当地域近在の主婦等にとって格好の働き場として、比較的年齢の高い女性達が路上販売員の仕事に従事することが多かった。
パラソルを用いた販売方法に関する進藤冷菓さんの主張
進藤冷菓さんの社長が昭和36年の秋田国体で見た清涼飲料メーカーのパラソルから発案し取り入れた。【出典:無効2010-890045】
- 1970年代に ババヘラ と呼ばれるようになる。
昭和50年ごろに、当時の高校生の間から生じた呼び方という説、秋田県内を案内していた観光バスのバスガイドが、乗客の質問にとっさに答えたのがはじまりという説など多数があり、どれが正しい説なのか定かではない。
- 1980年ごろには一般に ババヘラ が浸透した。
後に「 ギャルヘラ 」が出現した → ギャルヘラ
「ババヘラ」の商標登録
- 2001年、進藤冷菓 さんが ババヘラ を商標登録出願し、2002年登録された。
「ババヘラ」(商標登録第4567995号)
平成13年7月19日出願、同14年3月25日査定、同年5月17日登録
進藤冷菓さんの主張 (2006年5月19日付け「週刊アキタ」の「インタビュー」欄)
『ある時、東京の大手菓子メーカーから突然ババヘラの名前でガムを販売する準備をしているという電話が来ました。寝耳に水の話でしたが、当時は商標登録していなかったことから、そのメーカーと出す出さないの押し問答になりました。結局そのメーカーが下りてくれましたが、その後商標登録を急ごうと、最初は地元の同業者の組合での商標登録を提案しましたが動きがないため、結局自社で平成13年に申請しました。・・・』【出典:無効2011-890038】
- 2005年、児玉冷菓 さんが ババヘラアイスハッショーノチ、ババサンアイス等 を商標登録出願し、2006年登録された。
商標登録第4959166号
ババヘラアイスハッショーノチババサンアイス、ババヘラアイスハッショーノチ、ババサンアイス、ババサン、ババ、ガンソコダマレーカ、コダマレーカ、コダマ
- 2009年、杉重冷菓 さんが ババヘラアイスパラソル、ババヘラアイス等 を商標登録出願し、2010年登録された。
商標登録第5321145号
ビップ、ビイアイピイ、ババヘラアイスパラソル、ババヘラアイス、ババヘラ、アイスパラソル、パラソル
- 2010年5月28日、進藤冷菓 さんが、児玉冷菓 さんの商標登録(商標登録第4959166号)に対して
無効の審判 を請求
→2011年2月28日 『本件審判の請求は、成り立たない。』 と結審。
※詳細はこちらをご覧ください→ 無効2010-890045
- 2010年8月6日、進藤冷菓 さんが、杉重冷菓 さんの商標登録(商標登録第5321145号)に対して
異議申立 を行う
→2012年4月5日 『登録第5321145号商標の商標登録を維持する。』 と決定。
※詳細はこちらをご覧ください→ 異議2010-900235
- 2011年5月24日、児玉冷菓 さん、千釜冷菓 さん等が、進藤冷菓 さんの商標登録(商標登録第4567995号)に対して
無効の審判 を請求
→2012年2月6日 『本件審判の請求は、成り立たない。』 と結審。
※詳細はこちらをご覧ください→ 無効2011-890038
最初のアイスキャンディーは、長方形やダルマの形 をしており、自転車の荷台にアイスボックスを乗せて売っていた。
出稼ぎに出られない当地域近在の主婦等にとって格好の働き場として、比較的年齢の高い女性達が路上販売員の仕事に従事することが多かった。
パラソルを用いた販売方法に関する進藤冷菓さんの主張
進藤冷菓さんの社長が昭和36年の秋田国体で見た清涼飲料メーカーのパラソルから発案し取り入れた。【出典:無効2010-890045】
昭和50年ごろに、当時の高校生の間から生じた呼び方という説、秋田県内を案内していた観光バスのバスガイドが、乗客の質問にとっさに答えたのがはじまりという説など多数があり、どれが正しい説なのか定かではない。
後に「 ギャルヘラ 」が出現した → ギャルヘラ
- 2001年、進藤冷菓 さんが ババヘラ を商標登録出願し、2002年登録された。
「ババヘラ」(商標登録第4567995号)
平成13年7月19日出願、同14年3月25日査定、同年5月17日登録進藤冷菓さんの主張 (2006年5月19日付け「週刊アキタ」の「インタビュー」欄)
『ある時、東京の大手菓子メーカーから突然ババヘラの名前でガムを販売する準備をしているという電話が来ました。寝耳に水の話でしたが、当時は商標登録していなかったことから、そのメーカーと出す出さないの押し問答になりました。結局そのメーカーが下りてくれましたが、その後商標登録を急ごうと、最初は地元の同業者の組合での商標登録を提案しましたが動きがないため、結局自社で平成13年に申請しました。・・・』【出典:無効2011-890038】 - 2005年、児玉冷菓 さんが ババヘラアイスハッショーノチ、ババサンアイス等 を商標登録出願し、2006年登録された。
商標登録第4959166号
ババヘラアイスハッショーノチババサンアイス、ババヘラアイスハッショーノチ、ババサンアイス、ババサン、ババ、ガンソコダマレーカ、コダマレーカ、コダマ - 2009年、杉重冷菓 さんが ババヘラアイスパラソル、ババヘラアイス等 を商標登録出願し、2010年登録された。
商標登録第5321145号
ビップ、ビイアイピイ、ババヘラアイスパラソル、ババヘラアイス、ババヘラ、アイスパラソル、パラソル - 2010年5月28日、進藤冷菓 さんが、児玉冷菓 さんの商標登録(商標登録第4959166号)に対して
無効の審判 を請求
→2011年2月28日 『本件審判の請求は、成り立たない。』 と結審。
※詳細はこちらをご覧ください→ 無効2010-890045
- 2010年8月6日、進藤冷菓 さんが、杉重冷菓 さんの商標登録(商標登録第5321145号)に対して
異議申立 を行う
→2012年4月5日 『登録第5321145号商標の商標登録を維持する。』 と決定。
※詳細はこちらをご覧ください→ 異議2010-900235
- 2011年5月24日、児玉冷菓 さん、千釜冷菓 さん等が、進藤冷菓 さんの商標登録(商標登録第4567995号)に対して
無効の審判 を請求
→2012年2月6日 『本件審判の請求は、成り立たない。』 と結審。
※詳細はこちらをご覧ください→ 無効2011-890038
以上、ババヘラに関する簡単な歴史でした。
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「ババヘラ」の商標登録に関して、同業者間で争いが起きていた事は残念に思います。
一般的には、登録商標と同一又は類似の商標を他人が使用するのを禁止したり、登録等を排除することは、商標権に基づく正当な行為だと思いますが、商標権を行使するかどうかは商標権者の考え一つだと思います。
当初「大手菓子メーカーからババヘラを守る」という思いで商標登録をしたのに、共にババヘラを販売してきた仲間の業者にまで商標権を行使するのには、当事者にしかわからない理由があるのかも知れません。
追加情報
(2020年)------------------------------
いままでなかなか出会えなかった「三浦冷菓さん」のババヘラをゲットすることができました。
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(2011年)------------------------------
秋田で観光関連の仕事に従事していた知人から新たな情報を入手しました。
その知人の話では、一番最初に始めたのは「杉重冷菓さん」なんだそうです。
そして、その当時杉重冷菓さんに勤めていた1人が独立して始めたのが「進藤冷菓さん」とのことです。
信頼できる知人の話ですが、信憑性は・・・??
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(2012年)------------------------------
クリーミーで美味な杉重冷菓さんのババヘラ。その後、何度か秋田を訪れましたが、2008年以降見つける事ができずにいました。ところが・・・
2012年7月8日(日)、秋田自動車道 西仙北SA(上り)で見つけました。
そして、2012年8月25日(土)、秋田県大仙市(旧:大曲市)で開催される、第86回全国花火競技大会の会場に出店するそうです。
:
(2013年)------------------------------
ひょんな事から、商標審決データベース の存在を知り、ババヘラに関連した商標登録に対して審判請求や異議申立がされている事を知りました。
審判請求や異議申立の記録には、ババヘラに関する情報が載っていましたので、ババヘラの歴史 としてまとめて見ました。
ババヘラの歴史をまとめる作業をしていて、当ページ管理人が昔、仕事で秋田に滞在していた頃 「ギャルヘラ 」 という言葉を聞いたことを思い出しました。
ギャルヘラ
1985年頃、夏休みの時期になると女子高生のアルバイトがババヘラを売ることもあったそうです。女子高生がヘラで盛りつけしてくれるので、 ギャルヘラ と呼んだのだとか・・・その当時高校生だった人に聞いた話なので信憑性はあります。
日当3,000円だったそうです。
他に、ギャルより年上の女性だと アネヘラ 、男性の売り子だと ジジヘラ と呼んだそうです。
「ババヘラの写真ページ」はこちらです → ババヘラの写真ページ